研究課題/領域番号 |
06302055
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長澤 泰 東京大学, 工学部, 教授 (30217989)
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研究分担者 |
小島 通代 東京大学, 医学部, 教授 (30114276)
西出 和彦 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (80143379)
荒井 蝶子 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (40085337)
山下 哲郎 東京大学, 工学部, 助手 (00239972)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 入院建築 / 病棟 / 病室 / 入院治療 / ICU / 看護 / 空間認知 / 排泄 |
研究概要 |
この研究は、急性の患者で入院医療を受ける患者の治療環境、特に病室ならびに病床周辺のあり方について、医療・看護行為と入院生活上の要求の視点から考察したものであるが、研究は内容と手法上、大きく二部に分けて実施された。 第1部は、一日の大半をベッド上で過ごす入院患者の周辺空間の認知特性を把握するために実施した実験室での一連の基礎的研究で、まず臥位にある人間が指示代名詞「コレ」「ソレ」「アレ」を用いて指し示す空間が実際にはどの範囲を示しているのかを捉えて、人間の心理的空間領域を考察した。次に臥位状態で壁と天井の位置を移動し、室空間の構成面までの距離の知覚ならびに空間の広さを比較体験させて空間認知の特性を解明した。 第2部は、実地調査を主体とした一連の研究で、まず集中治療室での医療・看護行為を記録分析して、ベッド周辺の所要空間と関連した諸室の位置関係について考察した。続いて、患者のベッド周辺にある看護用品と生活用品とに着目して、それらを看護ならびに患者がどのように認識しているかを分析し、また、看護婦の行為と環境に関する印象を分析して、ベッド周辺領域についての新たな視点を提示した。さらに、看護作業の中で大きな位置を占める排泄介護行為の詳細な分析により、必要な建築的条件を明確にした。最後に、一般人へのアンケートを通して入院環境についての要望を把握し、また、採光・照明に関する病室の光環境の考察を加えて、入院医療施設計画における今後の展開の方向付けをおこなった。
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