研究課題/領域番号 |
06302063
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏夫 大阪大学, 工学部, 教授 (80029107)
|
研究分担者 |
茂里 絋 広島大学, 工学部, 教授 (90011171)
奥野 武俊 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60081395)
戸田 保幸 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (20172166)
鈴木 博善 大阪大学, 工学部, 助手 (00252601)
|
キーワード | 速度変動の位相差 / 長周期変動 / レイノルズ応力分布 / 3次元剥離渦 |
研究概要 |
1)計測の精度確認のため参照点を設け多数回の計測を行った結果、平均値の周囲±0.2%の範囲に95%以上が分布し再現性のよいことが分かった。なお、計測面全体については0.5%以下と推測された。 2)シリーズ60船型の内_<bC>=0.60船型について乱動計測を行った。その結果以下の事柄が分かった。 (1)時間平均量としての流速分布、渦度分布、レイノルズ応力分布のデータベースを船尾3断面について作製できた。 (2)船尾縦渦分布とレイノルズ応力分布とはピークの位置にずれがあり、縦渦中心では乱動が弱まる。 (3)プロペラ面におけるX方向速度成分のスペクトルには、船尾カルマン渦の影響と思われる10Hz付近のピークが認められる。 (4)プロペラ面全域において、速度3成分について条件付きサンプリング可能な時系列データを含むデータベースを作製できた。 (5)Y-面断面内速度成分の長周期変動(以下変動という)は、X方向(主流方向)速度の変動に比べ小さく、長周期変動は主流方向速度の流場変化が主体である。 (6)船尾縦渦周囲の変動の位相と、縦渦中心付近の変動の位相は明らかに異なり、縦渦の断面形状の変化とX方向流場の変化の間に結びつきが認められる。 3)厚い境界層の数値計算に使われている簡単な乱流モデルについて、縦渦の傾きによる減衰、低レイノルズ数影響の効果を取り入れ数値計算を行った。その結果、縦渦の影響による伴流分布の歪みをある程度再現できるようになった。 4)壁面摩擦応力の画像計測手法を船体模型に適用し、船体表面の壁面摩擦応力分布や限界流線の計測を行った結果、船尾縦渦の強さの違いによる限界流線のパターンは3船型による違いは非常に小さいこと、摩擦応力分布には若干の違いがあることなどが分かった。 5)細密格子を用いた直接数値計算において、自由表面で剪断力ゼロの条件を課すことにより、高レイノルズ数の乱流計算においても、船首近傍の自由表面で発生した渦度が船首渦流れを形成することが分かった。
|