研究分担者 |
吉田 宏一郎 東京大学, 工学部, 教授 (90010694)
前田 久明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013192)
池田 良穂 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10117989)
内藤 林 大阪大学, 工学部, 助教授 (20093437)
竹松 正樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (50038535)
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研究概要 |
従来は船舶海洋工学の分野においては、運動計測には慣性ジャイロと加速度計・ポテンショメータの組み合わせが主なるものであった。このシステムは多くの実績があり、信頼性も高いが価格・消費電力・重量・保守管理の面で、使用者に過大な負担となる場合があった。本研究では、圧電振動ジャイロを用いた安価・低電力・軽量・小型の角速度計を開発し、沖縄南方海上における海上実験を行った。さらに、ブイシステムの運動応答の6自由度の計算法及び係留ラインの運動と張力の計算法を開発した。係留ラインの運動の数値計算法としては、有限要素法、ランプドマス法が考えられる。しかしながら、ブイシステムを構成する係留線の変形量は極めて大きく複雑であるために、変位のモードを固定して考える有限要素法は適用が困難であり、ブイシステムの形状がランプドマス法の概念に馴染みやすいので、計算はすべてランプドマス法によった。実験及び計算の対象浮体は、沖縄本島南方北緯26度、東経128度、水深約1200mの海域にケーブル・チェーンによる複合ラインで係留された排水量約50トン、直径約7mの円形ブイである。このブイのSurge,Sway,Heave,Roll,Pitch,Yawの運動を計測した。計測期間は1995年8月4日から9月6日までの約一ケ月間である。同じ海域で、ウエーブライダー波浪観測ブイと合成開口レーダーによる波浪観測も合わせて行っているので、データの精度確認には好都合である。得られた主な結論は (1)角度の計測は十分な精度を持っている。 (2)加速度を2回積分して、運動変位を求める際に運動が小さい場合には、ノズの処理方法によっては計測誤差が大きくなる可能性がある。 今後は運動計測の結果と数値計算結果を比較し、精度向上に努める。
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