研究課題/領域番号 |
06302080
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤本 孝 京都大学, 工学研究科, 教授 (90026203)
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研究分担者 |
一本 潔 国立天文台, 太陽物理, 助手 (70193456)
久保 博孝 日本原子力研究所, 研究員 (40354584)
村岡 克紀 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80038546)
崎本 一博 宇宙科学研究所, 助手 (60170627)
加藤 義章 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (30093397)
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キーワード | 偏光 / アラインメント / 電子速度分布 / 衝突輻射モデル / X線レーザー |
研究概要 |
阪大レーザーセンターにおいて京大と共同で行なわれたX線レーザーの実験で、ネオン様ゲルマニウムの発振線が20-50%偏光していることが見いだされ、下準位と基底準位との共鳴線の非等方的な輻射捕獲がその原因であるとされた。京都大学のWT-3トカマク・プラズマからの不純物発光線(ベリリウム様、ボロン様酵素)が低域混成波加熱直後に偏光していることが見いだされた。また、研究分担者ではないが、電通大レーザーセンターのレーザー生成プラズマ実験で、再結合プラズマのスペクトルが偏光観測され、ヘリウム様フッ素の発光線ばかりでなく、再結合連続光まで強く偏光していることが見いだされた。これらは、すべて世界で初めての観測であるとともに、非等方的状況が一般的に実現していることを示唆する。 このような偏光観測データをプラズマ自体の空間的非等方性、非熱性と結びつけるために、非等方的速度分布を持つ電子、イオン衝突励起によるアライメント生成の断面積、等方的衝突によるアラインメント緩和の断面積などの計算が行なわれ始め、予備的な結果が出始めた。速度分布非等方性に関して、NBI入射時や、RF放電プラズマについて詳しく調べられ、その表現方法も確立された。プラズマ中原子、イオンのポピュレーションに対するkinetic modelである衝突・輻射モデルが拡張され、アラインメント衝突・輻射モデルが構成された。これによってプラズマ診断方法論の枠組みが確立された。 インスツルメンテーションの面でも、可視域では方解石板を分光器中に挿入する方法、液晶を用いて太陽コロナを観測する方法、X線域ではCCD検出器自体を偏光観測に用いる工夫などが開発された。また、観測窓の光弾性効果について検討され、明確な結論が得られた。
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