研究課題/領域番号 |
06302086
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029521)
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研究分担者 |
太和田 勝久 九州大学, 理学部, 助教授 (20029507)
徳永 史生 大阪大学, 理学部, 教授 (80025452)
若林 健之 東京大学, 理学部, 教授 (90011717)
雨宮 慶幸 高エネルギー物理学研究所, 放射光施設, 助教授 (70151131)
八木 直人 東北大学, 医学部, 講師 (80133940)
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キーワード | 生物物理学 / シンクロトロン放射光 / X線回折 / 電子顕微鏡 / 筋収縮 / 好塩菌紫膜 / 細菌のベン毛 / 頭足類視細胞 |
研究概要 |
雨宮らはイメージインテンシファイヤーと冷却CCDを撮影素子に用いたテレビ型X線検出器の開発をおこない、4桁以上の入射強度レンジで直線性の応答を持ち、0.4mmの位置分解能を持つものを作製した。また、この検出器を用いて33msの時間分解能で筋肉の回折像が得られた。若林(克)らは、カエル骨格筋に遅速伸長及び遅速開放を与えた時のX線回折像をイメージングプレート送り方式を用いた時分割装置で記録する事により回折強度の変化が静止相、等尺収縮相、筋長変化相および応力緩和相の4相に対応して分けられる事を見い出した。また、収縮中の骨格筋においてアクチンおよびミオシンの両フィラメントが2-3%伸びることを明らかにした。この結果は、筋収縮に関する生理学および生化学的知見と構造との関連を解く糸口を与えるものと思われる。若林(健)はクライオ電子顕微鏡法を使ってアクチンフィラメントの3次元像を約2nmの分解能で得る事に成功した。この結果、アミノ酸レベルで構造と機能の連関を考える上で重要な示唆が与えられた。難波は直線型ベン毛フィラメントについて電子線構造解析を行い、ベン毛の多型変換および構造の安定性にはフラジェリン分子のコア領域のみでなく外側の領域も寄与している事を示唆した。また、欠失突然変異のフィラメントの構造からアミノ酸配列とドメイン構造との対応付が可能となった。生体膜に関しては、徳永はM中間体の寿命の長い変異バクテリオロドプシンについてX線回折実験を行い、光中間体で構造変化を起こしている事を示した。太和田は微小管/キネシン系のin vitro滑り運動の揺らぎの解析を行い、滑り力の揺らぎによる項が微小管とキネシン濃度にはほとんど依存せず一定であることを示した。
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