研究課題/領域番号 |
06302086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029521)
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研究分担者 |
太和田 勝久 九州大学, 理学部, 助教授 (20029507)
徳永 史生 大阪大学, 教授 (80025452)
若林 健之 東京大学, 理学部, 教授 (90011717)
雨宮 慶幸 東京大学, 工学部, 助教授 (70151131)
八木 直人 東北大学, 医学部, 助教授 (80133940)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 生物物理学 / シンクロトロン放射光 / X線回折 / 電子顕微鏡 / 筋収縮 / 好塩菌紫膜 / 細菌のべん毛 / 頭足類視細胞 |
研究概要 |
若林(克)らはアクチンモノマーの結晶データを利用して、筋肉の弛緩状態の細いフィラメント由来の1.3nmまでの反射強度を最も良く説明するFアクチン・トロポミオシン構造モデルを構築した。その結果、筋収縮においてアクチンの構造変化がかなり重要であることが示唆された。若林(健)はクライオ電子顕微鏡法にホログラフィック像再構成法を導入することによりミオシン頭部とアクチンとが相互作用している現場を2nm分解能で捉えることに成功した。その結果、ミオシンとアクチンは様々な角度で相互作用しあっており、滑り運動中のアクチンとミオシンの相互作用位置は一定ではないという根拠を得た。また、片山はマイカ細片急速凍結フリーズレプリカ電子顕微鏡法により、アクチン滑り運動を起こしているミオシン・クロスブリッジの姿を捉えることに成功し、重メロミオシン頭部はアクチン単量体の長さの数倍の幅で首振り運動をし得ることを推定した。難波はX線繊維回折データと極低温電子顕微鏡によりベン毛フィラメントの多型変換を調べた。その結果、多型変換におけるスイッチング機構はouter tubeでのドメイン間相互作用にあり、inner tubeのドメイン間相互作用はそのスイッチング状態ポテンシャルを制御する役割を果たすことが示唆された。生体膜に関しては、徳永は光中間体の寿命の長い変異バクテリオロジプシンについてX線回折実験を行い、N中間体で構造変化を起こしている事を示した。太和田はアクチン繊維に化学架橋固定したミオシンでもATPによって能動的張力を発生することや、in vitro滑り運動の揺らぎの解析によって滑り速度を律する力の要因となる蛋白質分子摩擦の存在を示した。
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