研究分担者 |
岡崎 廉治 東京大学, 理学部, 教授 (70011567)
吉良 満夫 東北大学, 理学部, 助教授 (40004452)
吉藤 正明 東北大学, 理学部, 教授 (90011676)
佐藤 瀏 岩手大学, 工学部, 教授 (00003872)
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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研究概要 |
本研究では,第3周期以降のヘテロ原子化合物には一般的に共通しているが従来の有機化合物には見られない結合に注目し,一般的に通用する結合の概念セントラルドグマを基にしてヘテロ原子化学に新しい分野を構築することを目的としている。 研究成果を以下に示す。 1)高配位化合物の合成と反応性について 14族のSi,Geの新規高配位化合物の合成と結合の特徴について研究が進展した。15族のP,Sb,Biについても新規高配位化合物が合成され、擬回転と配位子カップリング反応に理論的考察が行われた。16族のS,Se,Teについては安定な高配位化合物の単離,構造決定,Wittig反応やPedersen反応における高配位化合物の単離が行われた。高配位ヨード化合物の研究も新しい進展が見られた。 2)ヘテロ原子間の多重結合やポリヘテロ原子化合物の合成と結合について 安定なSi=Siやりんを含む多重結合化合物の一般的合成法がかなり確立された。 3)ヘテロ原子間相互作用によるカチオンラジカル,ジカチオンの生成の研究について >S^+-S^+<,>Se^+-Se^+<等について新しい活性種と結合生成について深い研究が行われている。 これらの研究を通じて高配位化合物の結合の概念はヘテロ原子化合物全体について4から^6配位,つまりデセットからドデセット化合物の生成または合成が可能であり,高周期化合物ほどどの族の元素でも高配位結合が安定であるという一般的概念が出来上がりつつある。低配位の二重,三重については立体保護による速度論的制御を行うことにより,14,15族化合物の合成はほとんど無限に可能であるという概念が出来上がった。 研究会は全体の成果報告会と,公開の一般講演会の2回開催し,研究成果は挙がっている。
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