研究課題
新しい水処理技術は従来の水処理法に比べ、対象物質によっては非常に大きな除去速度を達成できることや、従来の水処理法では対処できない新しい汚染物質に有効であることから、改めて注目されている。本研究では、以下に述べるような新技術とその評価方法についての成果を得ることができた。まず、紫外線照射による水中有機ハロゲン化合物の分解効果と消毒効果については、中圧と低圧の2種類のランプによる有機ハロゲン化合物の分解効率を殺菌紫外線量を基にして比較することにより、種々の化合物による分解特性を把握することができた。次に、水酸アパタイトを用いた水処理については、その選択的イオン交換性によって、水中の有害イオンを効率的に除去できることが示された。また、水酸アパタイトが生成する水酸基によって、殺菌効果が存在することも示された。活性炭を用いた浄水処理への適用においては、その吸着の物理的機構や、吸着速度を決定する因子などについての知見が得られ、活性炭の適用範囲についての提言が行われた。また、膜処理技術においては、種々の膜処理における除去特性が総括的にまとめられ、その、適用範囲が示された。また、新しい技術として、超低圧で運転される逆浸透膜についての研究もなされ、イオンの選択的透過性が示された。水質指標の評価手法に関しては、バイオアッセイによる環境水の評価がなされ、細胞毒性、遺伝毒性評価と酸化的ストレスとの関与、生体内フリーラジカル反応についての知見が得られた。さらに、水系微生物汚染の評価手法を総括的にまとめ、水質指標として有効な指標が提言された。
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