研究課題/領域番号 |
06304003
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大沢 雅彦 千葉大学, 理学部, 教授 (80092477)
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研究分担者 |
高田 壮則 北海道東海大学, 助教授 (80206755)
寺島 一郎 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (40211388)
甲山 隆司 北海道大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (60178233)
山本 啓司 鹿児島大学, 理学部, 助手 (60244224)
松本 淳 東京大学大学院, 理学系研究科, 講師 (80165894)
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キーワード | 亜熱帯暖温帯多雨林 / 照葉樹林 / 林冠 / 台風被害 / 地形傾度 / 土壌分布 / 生理生態特性 / 林木個体群動態 |
研究概要 |
初年度である今年は、各分担者が屋久島に関する調査研究を開始し、11月始めに現地班検討会をもった。これまで、屋久島西部の原生的な常緑広葉樹林域に林冠アクセスシステムを設置するサイトを選び、その形状、構造を決定し、現在設置に入っている。このシステムは高さ13m、底面積4m×8mあり、森林の林冠での作業が容易であり、引き続き照葉樹林の林冠構造解析、シュート・フェノロジーの追跡、光合成、蒸散速度、水ポテンシャルの測定などに活用する。局所気候と森林群集の対応に関しては、台風の影響を強く受ける尾根と両側の谷地形を含む1haの調査区を設置し、すべての樹林個体の位置図を作成し、地形測量を行い、地形単位ごとに土壌断面構造、各層位ごとの栄養塩の分析、土壌水分の計測などを行い、各地形単位の特性が明らかになった。樹種の分布はこの地形単位の特性に対応するが、種によって地形単位と分布局所との関係は多様であった。これらの樹種について生理生態学的特性、共存種との相互関係などを解析する。林木個体レベルの台風に対する応答、さらにその生理活性との関連、また、繁殖様式、とくに果実、種子の生産と散布、個体再生産などについて、アクセスシステム設置林分やその近傍で測定を開始した。気候履歴については過去の台風被害の気候学的解析、また93年13号についての局所被害の現地調査などを行った。花崗岩節理系についても現地の路頭について調査し、リニアメントや崩壊地形との関連を調べた。なお、本研究は「科学新聞」94年10月28日号において“特に期待大きい採択研究"として紹介された。
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