研究課題/領域番号 |
06304017
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小橋 澄治 京都大学, 農学研究科, 教授 (40026604)
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研究分担者 |
丸谷 知己 九州大学, 農学部, 助教授 (40112320)
諏訪 浩 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00093253)
土屋 智 静岡大学, 農学部, 教授 (60197720)
下川 悦郎 鹿児島大学, 農学部, 教授 (60041670)
太田 岳史 岩手大学, 農学部, 助教授 (20152142)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 火山活動 / 土砂災害 / 流出現象 / 地形変動 |
研究概要 |
火山活動に伴う土砂災害は日本だけでなく、東南アジア、南北アメリカ諸国でも深刻な問題である。それは一般山地で生じる土砂災害と異なる大きい特徴を持っており、この研究の目的は火山地帯の土砂移動の特性を明らかにすることにある。インドネシアのメラピ山、日本の雲仙普賢岳、磐梯山等の調査結果を基礎とし、火山における雨水流出特性と地形発達状況を明らかにし、両者を相互作用として理解し、比較水文学的な手法で解析したものである。 火山に伴う土砂災害は特徴の第一は大量の火山噴出物が急激に不安定な状態で山腹面に堆積するため、降雨の度に再々土石流が発生し、扇状地に大量に堆積することである。その大きい原因は地表面が火山噴出物で覆われるために地表面の浸透能が急激に減少し、それに伴って雨水流出量が増大すること、かつ不安定な火山噴出物は雨水流によって、容易に移動するため、短期間の間に大規模なガリが形成される。ガリ形成時までの土砂移動は極めて大きく、谷地形が発達する。火山噴出物で山腹面が被覆された後、ガリ形成時までの経過をそれぞれの火山で比較し、その類似性、特異性を明らかにした。 火山活動に伴う土砂流出現象の複雑さは、その挙動を短期間に変動させる点にもある。上述のように、急激なガリ形成まで地形変動は著しいが、ガリ発達が進むに従い、雨水はガリ内に集中するようになり、総計としての土砂流出量は急激に減少していく。これは各火山に共通して見られる現象であり、火山活動停止後、数年で土砂流出は減少に転じることを明らかにした。
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