研究課題/領域番号 |
06304023
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
道家 紀志 名古屋大学, 農学部, 教授 (80023472)
|
研究分担者 |
川北 一人 名古屋大学, 農学部, 助手 (90186065)
新免 輝男 姫路工業大学, 理学部, 教授 (80114510)
白石 友紀 岡山大学, 農学部, 教授 (10033268)
久能 均 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024573)
鳥山 尚志 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (40013338)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | Ca^<2+>依存タンパク質リン酸化酵素 / エリシター認識 / オキシダティブバースト / 活動電位 / 細胞骨格 / ホスホリパーゼ / 全身獲得抵抗性 / サブシステミックオキシダティブバースト |
研究概要 |
微生物の感染や生物的エリシターに対する植物の応答現象を軸に、異物認識、シグナル伝達、遺伝子発現の誘導ならびに新規代謝変動の相互の関係を通して、細胞単位からシステミックな組織細胞間で展開される認識と情報伝達に関して解析し、次のことを明らかにした。 1)植物細胞におけるカルシウムシグナリングに関連し、Ca^<2+>/H^+アンチポーターとCa^<2+>ポンプにMg^<2+>が関与、Ca^<2+>依存のタンパク質リン酸化酵素の性質、およびエリシター認識細胞ではCa^<2+>依存のタンパク質リン酸化酵素(PK)活性がイノシトールりん脂質代謝やPAL遺伝子の活性化と関連する。 2)糖質エリシター分子の認識やタンパク質脱リン酸化酵素の阻害によりオキシダティブバーストが起こり、そこにはOHラジカルが生成され、各種のタンパク質リン酸化が関与する。 3)シャジクモ類の節間細胞において活動電位が長軸方向に伝導し、その発生における脱分極にはCa^<2+>とCl-チャンネルが活性化し、活動電位が発生するとミオシンのCa^<2+>依存性リン酸化が関与し原形質流動が停止する。 4)エリシター刺激によるオキシダティブバーストに伴い脂質過酸化反応が活発化しシグナル分子が生成されるが、その鍵酵素となるホスホリパーゼ(PLA_2)の活性化にはCaM、PKが関与する。 5)非病原菌の感染細胞では感染の拒絶が起こるが、その情報伝達においては細胞骨格の機能および動的変化が重要な役割を果たす。 6)オオムギでは、全身的獲得抵抗性の発現における情報伝達は第一シグナルは電気的で、2次シグナル物質が生産・伝達され抗菌性物質の生成誘導が起こる。 7)ジャガイモ塊茎組織では、エリシター刺激によるオキシダティブバーストにはCa^<2+>、CaM、PKなどが関与し、生成したH_2O_2が2次刺激となり細胞間のCa^<2+>インフラックスを連続的に誘導し、離れた組織の細胞で2次的オキシダティブバーストを誘導する。
|