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1994 年度 実績報告書

日本における解剖学的人体諸変異に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06304024
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

佐藤 達夫  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10004657)

研究分担者 堀口 正治  岩手医科大学, 医学部, 教授 (80091742)
田中 重徳  金沢大学, 医学部, 教授 (60004660)
熊木 克治  新潟大学, 医学部, 教授 (20019574)
宮内 亮輔  福岡大学, 医学部, 教授 (70078757)
内野 滋雄  東京医科大学, 医学部, 教授 (00074500)
キーワード解剖学的人体変異
研究概要

日本における解剖学的人体変異の総合的資料としては、脈管系に関する足立博士とその門下の業績(Adachi,1928;Kihara,1953)が特筆すべきものであるが、それ以来大規模な調査研究は行われていない。これらの資料は国内外の学会における研究動向に今も大きな影響を与えると同時に、臨床的な応用の場面でも多用されている。近年の臨床医学における診断治療技術の革新に伴い、医療技術の基礎となる解剖学的人体変異の総合的資料の編纂は、臨床家他各方面の待ち望むところである。そのためには一つの器官系に偏らない総合的な、日本における解剖学的人体変異の資料作成が必要である。
本年度は、日本における解剖学的人体諸変異の研究の詳細な調査項目の検討と研究分担者の決定を行った。研究分担者は、各々の分担に応じて解析すべき形態の基本型と変異の項目を整理し、過去の研究記載、関係諸大学における所見および自家所見等を検討した。各分野の重複する調査項目について研究分担者は相互に調整を行い、また新たに調査項目(交感神経幹、顔面等)を加え、全国調査のための準備研究調査の資料を作成するとともに、調査項目が膨大な分野においては12名の研究協力者の参加協力を仰ぐことになった。各項目の検討結果は下記の通りである。
a.内臓諸器官:基礎的・形態学的事項の中でも応用に役立つ情報を多く盛り込むことになった(肺区域、肝区域など)。重量や容積等も収録する方向で検討した。b.骨:主として四肢骨の計測を行うことになり、計測項目が提示された。c.体幹筋:過去の研究をもとにして、各筋の起始停止など基本的事項も収録する。d.四肢筋と肢帯筋:解剖学的に興味深い項目を選定した。データが不足している筋の検討をすることになった。e.動脈および心臓:多様な動脈変異を系統的に理解するために、変異の背景となる形態的意義を検討することになった。金沢大学解剖学実習資料集(1980)を基本データにして、最近の自家所見を追加することになった。f.静脈および主要リンパ路:静脈の変異の定義づけを明確にするため文献的な総括を行う。四肢の皮静脈は全国調査を行う。リンパについては各臨床科のリンパ節取扱い規約との整合性を検討する。g.脳神経:調査項目の整理が終了し、特に鰓弓神経の形態的な意義を検討する。h.脊髄神経:神経の起始・走行・分布及び計量的データについて文献を整理する。i.脳、脊髄:中枢神経の諸変異について自家所見をもとに調査項目の整理を行った。
さらに内容を充実させるために、全国の解剖学教室にマクロ関係の文献収集について協力を依頼した。また、資料集の具体的な1ページを想定して、そこに盛り込みうる内容や全体の構成について討論し、このための雛形となる資料集部分粗稿案を数項目について作成した。
このように日本の肉眼解剖学の十分な蓄積を踏まえて、我が国の肉眼解剖学者が一致して一つの資料集の作成をめざすことによって、海外における業績に優とも劣らない資料集が編纂されるものと確信している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sakamoto,H.,Akita,K.,Sato,T.: "Left superior vena cava continuing tothe accessory hemiazygos without anastomosis with the coronary sinus" Surg.Radio.Anat.15. 151-154 (1993)

  • [文献書誌] Koizumi,M.,Horiguchi,M.,Sekiya,S.,Isogai,S.,Nakano,M.: "A case of the human sternocleidomastoid muscle additionally innervated by the hypoglossal nerve" Okajimas Folia Anat.Jpn.69. 361-368 (1993)

  • [文献書誌] Sekiya,S.,Kumaki,K.,Yamada,T.,Horiguchi,M.: "Nerve supply to the accessory soleus muscle" Acta Anat.149. 121-127 (1994)

  • [文献書誌] Koizumi,M.,Sekiya,S.,Horiguchi,M.,Harada,M.: "A study of the deep ascending cervical artery (new definition) and its relation to some other arteries in the human cervical region." Annal.Anat.176. 233-242 (1994)

  • [文献書誌] Kawai,K.,Okamoto,K.,Kodama,K.: "Occurrence of the ventral component of the third brachial nerve as the supernumerary branch of the glossopharyngeal nerve" Acta Anat.149. 231-236 (1994)

  • [文献書誌] Murakami,G.,Shimada,K.,Sato,I.,Kunieda,H.,Suzuki,S.,Hoshi,H.: "Typology of the subclavian and axillary lympatics" Clinical Anat.7. 204-214 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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