研究分担者 |
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
門田 守人 大阪大学, 医学部, 教授 (00127309)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
深尾 立 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (50091921)
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研究概要 |
1.臓器摘出、臓器保存に関して:臓器摘出前ドナーの栄養状態が肝グラフトに与える影響を検討した結果、低栄養が肝類洞内皮障害の原因となりミトコンドリアのATP産生能を障害することを明確にした(里見,田中)。ドナー手術管理における低体温の導入意義の見直し、および初期潅流での至適流量の決定を行った(平)。保存肝機能評価法として、針生検組織を用いた肝蛋白合成能解析による高次機能評価法、おび肝血管床内保存液中の解析法を開発した(磯野、杉町)。心停止ドナーからのグラフト肝障害機構を解明し、その対策として人工心肺潅流装置を用いたcore cooling法などを検討した。(内野、里見)。肝虚血再潅流障害の予防法として、プロスタグラディンI2類似体とトロンボキサン合成酵素阻害剤の効果を明らかにした(深尾)。2.肝臓移植手術に関して:肝移植ネットワークの構築にあたり、適応疾患と緊急度の客観的基準試案を作成した(太田)。又、適正な肝移植登録プログラムの開発を目的として、現登録者の経過を詳細に分析した(杉町)。非A非B激症肝炎の移植適応基準として利用しうる予後予測式を検討した(谷川)。3.肝移植後の管理に関して:生体部分肝移植臨床例においてグラフトサイズマッチングの関機能に及ぼす影響およびFK506による免疫抑制の問題点を明らかにした(山岡)。免疫制御法の新たな展開として、drug-delivery systemを考慮に入れた免疫抑制剤修飾法、ドナー抗原投与による免疫不応答性の誘導、遺伝子導入による免疫制御(アデノウイルスベクターを用いたCTLA-Ig遺伝子導入)、新免疫抑制剤(Bactobolamine)の検討を行った(土肥,門田,高木,冨川)。4.異種移植の研究:近縁異種移植における免疫応答制御法の開発として、ドナー骨髄の移入やドナー抗原のMMC処理の有用性を確認した(土肥,門田)。遠縁異種移植における超急性拒絶反応の抑制法として、レトロウイルス法によるヒト補体制御因子遺伝子導入に成功した(高木)。
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