研究課題/領域番号 |
06304041
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
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研究分担者 |
米田 栄吉 東北大学, 歯学部, 助教授 (80108547)
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
前田 勝正 九州大学, 歯学部, 教授 (00117243)
村山 洋二 岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
村井 正大 日本大学, 歯学部, 教授 (50059185)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 疾病活動度 / 炎症性サイトカイン / アルカリフォスファターゼ / 歯周病原性細菌 / PCR法 / 好中球セリンプロテアーゼ / 歯周ポケットpH / secretory leukocyte protease inhibitor |
研究概要 |
今回の総合研究では、歯周疾患の病態をHost-parasiteの両面から総合的に解析した。すなわち、本研究において開発したDNAプローブやPCR法を応用した高感度細菌検出法を用いて歯周病原性細菌を検出した結果、P. gingivalis(Pg)と歯周炎との間に密接な関連性が認められ、T. denticolaが治療効果を示す診断マーカーとなりうる可能性が示唆された。また、A. actinomycetemcomitansを貪食した単球によりVγ9/Vδ2T細胞の増殖が誘導されたことや、Pgのheat shock protein60を認識する抗体が歯肉線維芽細胞由来の抗原を認識することから、歯周組織破壊に自己免疫が関連している可能性が示唆された。さらに、歯周炎が進行しやすいSusceptibleな患者のPgに対する血清抗体価が歯周炎が進行しにくいResistantな患者に比べ有意に高かったことから、Pgに対する血清抗体価が歯周炎におけるリスクの診断指標になりうる可能性が示された。また、歯肉溝浸出液中のポリアミン量、アルカリフォスファターゼ活性、血小板活性化因子活性、好中球由来タンパク分解酵素(カテプシンG,メダラシン)、secretory leukocyte protease inhibitor、炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、IL-8)、プロスタグランディンE_2および歯周ポケット内pHが歯周組織の状態を示す臨床的パラメーターと密接に関連し、疾病活動度の指標になりうる可能性が示唆された。以上のように、本研究では細菌学的観点および宿主の生体応答、炎症反応の観点から、歯周炎の病態およびその疾病活動度を多面的に解析できた。そしてまた本研究において、歯肉組織中の各種炎症性サイトカインのmRNA発現の検出法が確立されたことから、さらに詳細な歯周病局所の炎症状態の解析が今後期待できる。
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