研究分担者 |
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 助教授 (50184320)
片山 栄作 東京大学, 医科研, 助教授 (50111505)
三木 正雄 福井大学, 工学部, 助教授 (30242580)
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (30089883)
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029521)
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研究概要 |
研究代表者ならびに分担者による主な成果について述べる.研究代表者は,筋収縮の可逆的阻害剤である2,3-butanedione monoximeがATPとミオシンモーターの相互作用のキネティックスには質的な変化は与えないが,アクチンとの相互作用を弱めるとともにエネルギー論的な特徴を大幅に変調することを見いだした.また,誘電分散測定によって,ATP結合,加水分解にともなう水分子の解離結合があることを明確に示した.若林克三は,ミオシンモーターとATPの相互作用にともなう分子構造変化をX線小角散乱法で解析し,ADPと無機りん酸複合体での分子ベンディングが最も大きくなることを示した.柳田はミオシン/アクチンフィラメントのin vitro運動系の張力ゆらぎの解析から1分子ミオシンの発生する変位と張力を測定し,負荷の減少とともにスパイク張力が減少する一方,変位が大きくなることを示した.片山は,マイカフレークを用いた急速凍結法を改良して,滑り運動を行っているミオシン分子の形状を観察し,結合しているヌクレオチドの種類によってミオシンモーターの構造が変化することを見いだした.安藤は,タンパク質分子と化学架橋が可能なポリアクリルアミド超微粒子を調製し,モータータンパク質1分子の可視化を試みた.須藤は,ミオシンモーターの遺伝子工学的改変を行い,化学一力学共役に必須な最小限の分子構造を推定に成功した.佐野は,カルジュリン(CD)/メリチン(M)の相互作用に対するCaイオンの効果を迅速反応法で解析し,CDとCaの結合解離とCDとMの結合解離のキネティックスとが一致しないことを示した.他の分担者も各自の研究テーマを発展させ,学会発表,論文投稿によって成果を発表している.
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