研究分担者 |
後藤 秀機 創価大学, 工学部, 教授 (70046100)
光嶋 勲 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (60101804)
小池 宏之 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (90073072)
岡 伸幸 京都大学, 医学部, 助手 (90252444)
天野 仁一朗 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60076015)
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研究概要 |
研究成果の概要:キネシンファミリーに属する約10種類のモーター分子の構造と機能の解析を行うと共に,アデノウィルスベクターを用いて解析を進め,軸索内の細胞骨格蛋白は重合した状態では輸送されないことを証明した(廣川)。交感神経における速い軸索内輸送はアセチルコリンにより抑制され,アドレナリンにより促進されることを見出し,その作用機構の解析を行った(竹中)。またラットの開口筋と閉口筋のアセチルコリンエステラーゼの活性には差が認められ(天野),サルの延髄薄束核軸索ジストロフィーにはラットでは見られない特有の変化が見られるなど,神経の種類や動物の種類による差が明らかになった(藤澤)。更に無脊椎動物であるアメフラシのニューロンで軸索の構造と輸送の関連性が詳細に解析された(小池)。一方培養ニューロンでは伸長しつつある突起の先端部分の光照射により軸索内輸送が抑制され(後藤),突起の伸展と軸索内の微小管安定化の関連性が追究された(小宮)。病的な材料を用いた研究では運動ニューロン疾患では脊髄スフェロイドに細胞質ダイニンが蓄積しており,キネクチンが減少しているという結果とあわせると速い軸索内輸送の障害が示唆される(豊島)。種々の疾患時におけるヒト生検材料では微小管の変性に伴なって安定性の低下が見られ(岡),また移植した神経でも軸索内輸送の変化によると思われる形態的な特徴が見出された(光嶋)。更にβ,β'-イミノジプロピオニトリル(IDPN)投与動物の初期変化としてニューロフィラメント蛋白燐酸化の低下をみつけ(小宮),β-ブロモフェニルアセチル尿素による末梢神経傷害の際にも逆行性の輸送に特徴的な変化が見出された(岡)。糖尿病ラットに虚血をおこすと特に速い輸送に障害がおこることが見出された(永田)。また神経の再生時におけるニューロフィラメントHサブユニット可溶性の変化についても新知見が得られた(小宮)。
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