研究課題/領域番号 |
06305007
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
広岡 公夫 富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
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研究分担者 |
中村 浩 大谷女子大学, 文学部, 教授 (10121873)
鳥居 雅之 京都大学, 理学部, 助教授 (60108983)
中島 正志 福井大学, 教育学部, 教授 (70093440)
時枝 克安 島根大学, 理学部, 教授 (90032599)
酒井 英男 富山大学, 理学部, 助教授 (30134993)
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キーワード | 古地磁気層序 / 地磁気永年変化 / 地磁気エクスカーション / ブリュンヌ正磁極期 / 松山逆磁極期 / 原人 / 更新世 / 人類紀 |
研究概要 |
相次いで宮城県北部で発掘された石器の古いものは、原人の時代のものと考えられ、日本に人類が住み始めた時代は一挙に更新世中期まで遡ることが明らかになった。したがって、日本の人類紀は少なくともブリュンヌ正磁極期全般にわたることになり、地磁気の変動に関しても、永年変化や地磁気エクスカーションなどいろいろな規模の変動が含まれる。また、そのような地磁気の変動を残留磁化の形で記録している母体の物質にも、遺跡焼土、湖底堆積物、テフラや火砕流、火山岩溶岩、第四紀層、鍾乳石、その他種々のものがあり、それぞれが古地磁気学的あるいは岩石磁気学的な特質を有している。本研究の第一年目である本年度は、研究分担者各自が、それぞれ得意な母体物質を用いて、第四紀中の種々の地磁気の変動を探ることとした。そのために、分担者の多くは、それぞれの測定試料の採集を行った。例えば、宮城県古川市での中期更新世堆積物や築館町の石器出土層準の古地磁気試料の採集、沖縄の更新-完新世の石灰岩(鍾乳石)の採集、同時面の指標となる広域テフラを広島と千葉で採集するなどのサンプリングが行われた。 こうして採られた試料の測定は、現在進行中のものが多いが、古川市倉ノ沢露頭で得た試料については測定結果得られている。それによると、湯浜火砕流を含む最下位の5層準で連続して逆帯磁が観察され、それらの層準は松山逆磁極期に入ることが明らかになった。また、それ以外に、この露頭の上位2層準でも逆帯磁が見出された。倉ノ沢第1テフラと倉ノ沢砂礫層の上部である。もし、これらが本当だとすると、高森D遺跡の露頭で発見された4つの逆帯磁層準を含めて、30万年前〜73万年前の期間に6回の地磁気エクスカーションがあったことになり、年代を決めるのが難しいブリュンヌ期中の絶好のタイム・マーカーとなる。
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