研究分担者 |
梅木 哲人 長岡工業高等専門学校, 教授 (20185060)
名嘉真 三成 琉球大学, 教育学部, 教授 (30155808)
安江 孝司 法政大学, 第一教養部, 教授 (40061197)
中俣 均 法政大学, 文学部, 教授 (60135895)
比嘉 実 法政大学, 沖縄文化研究所, 助教授 (50061221)
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研究概要 |
1994年から開始された「沖縄県八重山の総合的調査」の2年目の調査がほぼ目的に近い形で行われた。広域に分布する八重山の島々を総合的に認識する必要上,初年度は研究調査員を総動員して各島々の概括的調査が実施された。それにより八重山を総合的に展望する視点が研究員相互の研究,討論を通じて確立されたのは大きな成果であった。研究成果の地元への還元として,初年度の研究成果を踏まえて石垣市市史編集室主催の市民講座が開催され非常に盛会であった。地元研究者との緊密な連携のもとに2年度の調査も順調に実施することができた。この間,明治中期に沖縄で実施された土地整理事業の地籍簿と図面が発見,公開されるようになり,その整理を通じて八重山地方の土地制度の近世期から近代への変遷を実証的に把握する道が開かれた。沖縄戦で土地整理事業の地籍簿がほぼ全域に近い沖縄において,今回,発見された石垣島全体の地籍簿と地籍図は沖縄の土地制度の解明に画期的な成果をもたらすことであろう。また,今回,明治以降の八重山島に沖縄本島や宮古島から移住してきた名簿が発見されている。移住者の職業,本籍などが詳しく記載されており、八重山地域の漁業を中心に産業発展の変遷、推移を実証的に明らかにすることが可能になった。八重山地域は沖縄本島のような地上戦が行われていないこともあり,文学研究,建築研究でも画期的な成果が期待しうる感触を本年度の調査が確信することができた。来年度は討論と研究会を続けながら成果報告書の作成に向けて全力を尽くしたい。
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