研究分担者 |
藤村 正司 新潟大学, 教育学部, 助教授 (40181391)
生田 孝至 新潟大学, 教育学部, 教授 (20018823)
有本 章 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (00030437)
江原 武一 京都大学, 教育学部, 教授 (00012568)
似田貝 香門 東京大学, 文学部, 教授 (40020490)
|
研究概要 |
本研究は,日本の大学院が国際社会の中で,センター・オブ・エクセレンスとしての地位を獲得し,学問的立場から世界に貢献し,社会の多様なニーズに対応すべく高度な専門職業人の育成・再教育を担うなど,新しい大学院の確立するための情報を得,その指針を明示することを目的とし,国立大学大学院を対象に悉皆調査を実施した(回収率57.1%)。調査内容は,これまで果たしてきた大学院の役割,現状と課題,今後の大学院の方向性である。データは,全体の把握と共に,職階別,専攻分野別,大学類型により分析が為された。その結果,国立大学大学院は学術研究の発展及び人材養成に大きく貢献してきたが,社会や地域への貢献は少なく,今後こうした方面への強化が求められた。また,研究条件や経済的理由から学生の大学院への進学が危機的に受けとめられ,若手研究者の支援の充実策が指摘された。大学院の充実では,スクーリングや演習を修士過程で充実する一方博士過程では研究会・ワークショップの充実が指摘され課程による相違をみる一方,大学院全体を充実すべきとするものや,特定分野への重点的整備を望むものなど,専攻分野によって充実すべき意見が異なり,多様な方策が必要であることが指摘された。他機関との交流や研究業績の評価,社会人の再教育のための新しい課程など,大学院制度の新しい方向も示された。調査結果は,報告書「国立大学大学院の現状と課題」として印刷し,関係機関に配布した。
|