研究課題/領域番号 |
06351013
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研究機関 | 筑波技術短期大学 |
研究代表者 |
高橋 秀知 筑波技術短期大学, 電子情報学科・情報工学専攻, 教授 (20013378)
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研究分担者 |
比企 静雄 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (50006227)
今井 秀雄 東京成徳大学, 人文学部・福祉心理学科, 教授 (30000285)
清水 豊 筑波技術短期大学, 電子情報学科・情報工学専攻, 教授 (50231733)
大沼 直紀 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター, 教授 (20169022)
中川 辰雄 特殊教育総合研究所, 聴覚言語障害教育研究部, 研究室長 (00164137)
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キーワード | 聴覚障害 / 感覚代行 / マルチメディア / 医工学 / フィッティング / コミュニケーション / 字幕挿入 / 音声認識 |
研究概要 |
現在の科学技術は、日進月歩で進行をしている。今日不可能のことも明日には可能となる時代である。この技術的進歩の恩恵を聴覚に障害を有する人々に還元する必要性を感ずる。この観点に立ち、各分野の現状を踏まえ、方策と方向との総合的調査を行った。今回の調査分野と現状及び予測結果を以下に記述する。 1)電子情報工学分野:合成音声の分野は、方式・方法共に実用の域に達している。不特定話者方式での認識も進歩の状況にあるが、実用化は、今一歩の状況である。情報補償の観点から映像等に対する実時間での文字合成は未だ多少の困難性がある。音声認識が不可能な間は、単純化された文字情報の入力が可能のこと及び文脈に最適な漢字への変換が可能な装置の開発が必要である。この点も実用に共する状態に近づきつつある。コミュニケション分野では、既存メディアの周波数帯域の間隙を利用した文字情報の伝送表示等が実用化され、ポケットサイズの携帯用機器での遠隔地との文字交信が普及すると考える。更に、コンピュータネットワークのように電話に代わるコミュニケーション手段が安価に提供されよう。また、手話データベースの構築も手話の標準化の点から大切と思われる。 2)教育工学分野:マルチメディアの発達は、今後多方面での利用が期待出来る。特に、補聴器の分野については、聴覚障害者の音声言語情報処理に対する研究が、心理・工学・医学の境界領域として発展しつつある。また、補聴器データベース等により音声コミュニケーションの観点からも検討する一方、人工内耳のリハビリテーションについても検討の必要があろう。 3)医工学分野は、人工中・内耳技術の発達が大いに期待出来る状況にある。 4)数百件にのぼる関連文献を分類整理中である。 これら科学技術の進歩を聴覚障害者が享受するには、行政面でのバックアップが期待される。
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