研究課題
「大望遠鏡の観測装置」国際会議は、計画どおり別途経費により、平成6年10月4-6日に早稲田大学井深ホールにおいて、海外から53名、国内から83名の合計136名の参加を得て開催され、70件の口頭発表と12件のポスター発表が行われた。本総合研究では、この国際会議に向けて、我が国がハワイに建設中の8m大型光学赤外線望遠鏡に装着すべく観測装置とそれらによる観測的研究の内容を集中的に検討してきた。その結果、会議開催時までに(1)赤外線分光撮像装置(IRCS)と(2)OH夜光除去分光器(OHS)の2種類については科学目的及び基本設計についての評価が固まり、製作に進む決定を行った。上記国際会議での他国の大望遠鏡装置についての発表・討議や、我が国の検討発表に対するコメントを参考にして、会議終了後にも集中的検討を行った結果、さらに(3)微光天体分光撮像装置(FOCAS)、(4)中間赤外撮像分光装置(COMICS)、(5)高分散分光器(HDS)、(6)赤外恒星コロナグラフ(CIAO)、及び(7)主焦点広写野カメラ(PWC)の5種類の採用が決定された。本研究班を中心に検討してきたこれら7機種のうち、国際会議において最も関心を呼んだのはPWCで、今後の開発製作に大きな期待が寄せられた。またIRCSについては、種々検討の結果、ハワイ大学天文研究所と我が国の共同開発によって製作するという方針が決定された。これによって、1998/9年に予想されている「すばる」望遠鏡初期立ち上げ時に向けて装置開発製作の大綱が決定されたことになり、本研究の目標は達成された。
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