研究課題/領域番号 |
06401003
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 方哉 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (10051278)
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研究分担者 |
伊東 裕司 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (70151545)
坂上 貴之 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (90146720)
渡辺 茂 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (30051907)
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キーワード | 意識 / 不確実状況下での実験手続 / メタ選択 / 確実選択傾向 / メタ認知 / メンタルモデル / ハト / 視覚系 |
研究概要 |
1.「意識性」の「強さ」を不確実選択に伴う教示の差異として制御するため、リスクレス-リスク選択肢間の選択課題を、伝統的な金銭獲得場面のTK型質問紙法、得点獲得場面の調査型、スクラッチシールを使う準実験型の3種手続で構成した。結果、TK法で最大のリスクレス選択傾向を見、高齢者ではさらにその傾向が強かった。現在、コンピュータとタッチパネルを用いた実験事態でのリスク選択傾向を検討している。また、TK型で異なる選択肢対の組を複数用意しその間の選択(メタ選択)を行なった結果、選択組間でも明確な選好が現れたため、別の「意識性」指標としてのメタ選択での選択傾向の利用についても検討している。(佐藤・坂上) 2.装置操作方法学習において、操作手順の機械的記憶を求めた暗記群と手順の意味の概念的理解を求めた概念的理解群の間の学習の相違について検討した。言語報告データでは、概念的理解群でボタンの役割や手順の意味などに関する記述が多いなど相違が見られ、課題遂行時間では、直後テストでは概念的理解群の方が、遅延テストでは暗記群の方が長くなり、学習時のメタ認知的方略教示が学習に何らかの影響を与えていることが示された。(伊東) 3.(1)多重処理システムの一つとしての「意識」の研究として、ハトの知覚ニューロン活動の分析を行なっている。ウルストを検索部位としてPSHを分析した結果、hyperstriatum accessoriumとhyperstriatum dordaleの境界近傍において視覚応答ニューロンを同定できた。しかし応答刺激の特性を検討したところ、捕食者などの生態学的有意味に特異的に応答するニューロンは見つからなかった。今後は大脳のもう一つの高次視覚中枢であるectostriatumでの検討を行なう予定である。(2)人間での意識化できない学習を検討するペルシャ語とアラビア語の文の視覚弁別訓練のため、コーランを素材として刺激を作成し、現在予備実験段階にある。(渡辺)
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