研究課題/領域番号 |
06401004
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永渕 正昭 東北大学, 教育学部, 教授 (60004107)
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研究分担者 |
坂本 幸 東北大学, 教育学部, 助手 (40004113)
菅井 邦明 東北大学, 教育学部, 教授 (60000288)
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キーワード | 脳損傷 / 感覚フィードバック / 音声言語発達 / 眼球運動 / 音楽行動 / 韻律的情報 |
研究概要 |
本研究は平成6年度から開始されたものであり、今年度はその準備段階で、まだ十分な資料収集は行われていないが、その一部を報告する。 永渕:アイマークレコーダによる眼球運動と視覚機能について検討した。1.視覚中枢である右後頭葉が先天的に損傷されている13歳女子では、左半側視野障害のために視点が無意識のうちに左側へ若干偏位して、左半側視野の認知を補っていることが確認された。2.知能障害児における書事(ひらがな)の正確さと眼球運動(文字走査の多寡)の関係をみると、精神年齢4歳児では眼球運動が活発であるほど、書字も正確になる傾向があり、5歳児では眼球運動に関係なく正確な書字となっている。このことから、文字習得と眼球運動の関係が示唆された。 菅井:現在言語発達遅滞児を行動発達、音声発達、音楽行動の3視点から、縦断的(1年間)に観察し、資料収集中である。また交通事故似よる脳損傷児の回復過程も、同様な観点から縦断的に観察している。その一部資料を用いて、行動、音声発達、音楽行動の関連分析を、動作系と認知系および感覚フィードバックの観点から分析する理論仮説を作成中である。その理論仮説で音声画像処理を作動、分析するためのソフトモデルと操作手順も開発中である。 坂本:聴覚障害児の音声言語認知のうち、韻律情報の役割について検討する準備段階として、健聴成人の読話シュミレーション状況で実験を行っている。読話(唇)と併用した場合の韻律について、300Hz-ロ-パス音声を用いて、純読唇、純ろ過音声、およびその併用効果の関係をみた。単感覚受容に比べ、併用時には大きな伸びがみられるが、効果および各感覚モードの成績間の関係には、個人差が大きいことが認められた。
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