研究課題
基盤研究(A)
本研究は、主として、1.ポスト大衆化段階の大学組織変容に関する研究会の開催、2.大学の組織改革に関する全国調査、3.諸外国の大学組織変容過程に関する研究、の3点から構成される。ポスト大衆化段階の大学組織変容に関する研究会は、平成6〜8年度において、10数回開催された。この研究会では、戦後日本の高等教育の発展過程の理念的・歴史的・数量的分析、ポスト大衆化段階の定義・時期設定・指標の検討などが行われた。これにより、日本では1970年代にすでにポスト大衆化段階に突入していること、1990年代以降はポスト大衆化の後期段階であることが明らかにされた。また、この研究会に付随して、日本の高等教育に関するデータベースの構築が行われた。大学の組織改革に関する全国調査では、国内の全大学の学長および全学部の学部長に対してアンケート調査を実施した。この調査は、各大学・学部の教育組織・研究組織・管理運営組織・社会サービス組織などの改革状況について回答を求めるものであった。また、これを補足するために、国公私立大学7校等に対して訪問調査を実施した。これら国内調査から、特に1990年代以降、特に多くの大学で様々な組織改革が実施・検討されていることが明らかにされた。諸外国の大学組織変容過程に関する研究では、対象国として、アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、中国、アジア諸国(シンガポールなど)が選定された。これら各国の諸大学に対して、大学の組織等に関する資料類の請求を行い、約200点の資料を収集し、これをもとに、同時期における諸外国の大学組織変容過程の分析が行われた。国ごとに大学制度、大衆化、ポスト大衆化段階の進行状況が異なるため、各国の組織変容過程を要約することは困難であるが、いずれの国においても、特に近年、大学改革・大学組織改革が実施されていることが明らかにされた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (4件)