研究課題/領域番号 |
06401009
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
佐竹 靖彦 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90032698)
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研究分担者 |
木村 誠 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (40094263)
川口 勝康 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (30106596)
小谷 汪之 東京都立大学, 人文学部, 教授 (00086943)
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キーワード | 井田地割 / 二十等爵制 / 軍功制 / 軍事王制 / 都市形態 |
研究概要 |
本年度の研究の重点は、アジア各地における土地区画のありかたに関する研究成果に対する学説史整理と史料蒐集を行い、そのうちで土地区画が、もっとも典型的に規格化した形をとる中国においては、進んでその井田地割の数理的復元とそのうえに立つ王朝支配体制の分析を行うことにおかれていた。中国については、数理解析のためのデータベースの蓄積を行ったが、その過程で華北の都市形態と華中の都市形態とのあいだに著しい相違があり、その相違のそこに当該地域における地割り形態の相違があることが予想されたので、当面、データベースの設計を改変するとともに、データベースの拡充を行った。また、王朝支配の問題については、このような整形的な地割りをもつ社会にふさわしい、従来個別人身支配の語でもって表現されてきた支配形態の在り方を、爵位の制度の再検討を通じて具体化した。従来の研究においては、秦朝のいわゆる二十等爵制を、一律に個別人身支配を表現するものとして、やや単純に扱ってきたが、本研究においてはこれを井田体制のもとにおかれた小農民に対する画一的な体制と、より上級の軍官に対するよりダイナミックな体制に分けて考えた。このことにより、従来の支配体制を軍事王政と規定し、これを軍功中心の支配体制に組み替えるものとしての秦王朝の二十等爵制の特質と、これをひきつぎながらより形式化したものとして機能するようになった漢王朝の二十等爵制の異同を明らかにした。この支配体制についての研究の一部はすでに発表している。日本史、朝鮮史、インド史については、史料蒐集と学説史整理を行うとともに、数度の研究会を行った。
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