本年度は下記に挙げる項目を中心に研究を行った。ひとつは昨年から継続的に調査を行っている都市型集合住宅における利用実態調査である。また、設計者側の立場から集合住宅の計画手法を採り、分析・考察を行った。 ・立体街路空間の利用実態 都市部に立地する集合住宅NEXT21におけるビデオカメラによる観察から、居住者の立体街路における利用実態を考察した。一年を通じて特に活発な利用が見られる春季の観測結果を中心に分析を試みた。 ・立体街路空間の事例分析 我が国を代表する集合住宅の設計を行っている3事務所の作品について、住棟内共用空間計画プロセスの変遷をまとめ、設計者側から見た立体街路計画の現状を明らかにした。 ・立体街路空間を構成する計画手法 集合住宅事例の立体街路空間は、道の街路性を構成すると考えられる5つの条件、(1)住戸との結合性、(2)道の公共性、(3)経路の選択性、(4)道の回遊性、(5)道の開放性、のいずれかを実現しようとしており、これらの条件と照らし合わせて立体街路の計画手法の特徴を考察した。
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