研究概要 |
1.「創造立国社会」に向けた知識の自律的運用に基づく新しい学力観の確立:構成主義的アプローチの批判的再構築の立場から,「子どもの有能さ」「子どもの自律的運用能力の有能さ」観を更に発展させ,21世紀における「創造立国社会」で,健全で豊かに生き社会的貢献を果たす将来開花する資質としての子どもの能力観の構造的解明を試み,伝統的な文化遺産の伝承に基づく能力観から科学技術,文化遺産の生成・創造を基本とする知的創造力からなる能力観の構造規定をおこない,実証的な分析を試み,妥当性を検証してきた。これらの一般的な能力観から導き出される能力構造と,理科・数学における領域固有性から導き出される能力構造・評価の枠組みを規定する試み継続している。 2.応用理科・応用数学カリキュラムの開発:上記の能力・評価構造の下に,理科教科に焦点を絞りカリキュラム開発を試みてきた。小学校理科5年「動物と人の誕生」単元での「生物の発生と生命の連続性」に関する認識構造の実証的解明,第2学年生活化単元での創造性伸長の視点にたつ「風と遊ぼう」生活カリキュラム開発,中学校段階では,対流現象・密度概念単元での科学的な探究過程における理科の「よさ感得」授業など,児童生徒の日常事象の健全な経験的知識から科学的合理的推論を育成し発展させるカリキュラム開発を試みてきた。これらの授業実践を通してカリキュラムの有効性と認識特性の変容を分析し,有効であるとの結果を得ている。さらに詳細な認識形成,科学的推論過程とその構造,運用応力の形成につて検討する。 電子テキストの開発:これまでに開発した個々の教材・課題に対して,定常-非定常課題 単純推論-複合推論等を基盤にしたデータベース属性を設定して,教材データベースを構築している。
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