研究課題
一般研究(A)
銀河系星間物質の物理化学的状態を系統的に解明するためには、遠赤外あるいはそれより長波長側の分光観測が最も直接的な研究手段である。そこで気球搭載遠赤外分光観測装置を開発し、それによって炭素、酸素、窒素などの基本的元素のスペクトル線を観測することによって、特に暖かい星間物質の物理状態を解明することが本研究の主目的である。今年度はまず観測計画の検討、及び観測装置の基本仕様の検討を行った。これに基づいて二次元遠赤外カメラの技術的検討を行い、圧縮型Ge:Ga素子を用いた8×4フォーマットのカメラり開発が可能であることを確認した。これについては第一回の試作を進めている。また、新型回折格子の試作、ファブリペロ-型干渉計の基礎開発、望遠鏡光学系の光学設計を行い、いずれも順調に進めることができた。さらに、気球搭載可能な光ファイバー型ジャイロ装置の性能測定を行い、精密な姿勢制御のための仕様を満たしていることを確認した。また、気球搭載用の分光観測装置を開発する過程で必要となる実験室での較正用精密分光光度計の整備、及び遠赤外カメラの性能試験のためのヘリウム冷却クライヲスタットの購入及び周辺装置の整備を行った。さらに気球搭載が可能な超軽量化ミラーについて国内外とも詳細な調査を行い、そのうち数社と技術的な情報の交換を行った。
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