研究課題/領域番号 |
06402004
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
奥田 治之 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (50025293)
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研究分担者 |
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 次世代探査機研究センター, 助教授 (20202210)
芝井 宏 宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 助教授 (70154234)
村上 広 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (40135299)
山上 隆正 宇宙科学研究所, システム研究系, 助教授 (40013718)
矢島 信之 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (30200489)
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キーワード | 赤外線 / 銀河系 / 星間物質 / 星間ガス / 気球望遠鏡 / 遠赤外線 / 分光観測 / 星生成 |
研究概要 |
本年度は気球観測装置を完成させて、順調に進めば観測を遂行する計画であった。望遠鏡光学系については薄型軽量主鏡(口径50cmの軸外し放物面鏡)の結像精度を測定し、波長150ミクロンの遠赤外線の回折限界撮像条件を満たすことを確認した。また大口径ファブリペロ-干渉計の開発のために様々な金属メッシュの光学的特性を測定し、必要な基礎データを揃えた。 一方、気球搭載観測システムの組立を行った。望遠鏡光学系には熱膨張係数が小さいCFRP部材を用いることで、気球高度の温度環境における光学性能を保証しかつ大幅な軽量化が実現できた。姿勢制御システムには、望遠鏡の姿勢センサー用に光ファイバージャイロを採用することで、これまでに比べてはるかに安定な制御が実現できることが実験室における試験で明らかになった。このように、気球観測システムに必要な要素はほぼ完成している。 しかしながら、気球観測システムの開発が若干遅れていること、及び日本における気球観測機会が限られていることのために、実際の観測は来年度あるいはそれ以降に延期せざるを得ない状況である。これを補完する意味で、我が国初の赤外線望遠鏡IRTS及びヨーロッパ宇宙連合の赤外線天文台ISOによる遠赤外分光観測データを用いた研究を並行して行っている。これによって、天域が一部分に限られてはいるものの、銀河系星間空間の物理化学的実態の解明に向けた研究を積み重ねつつある。
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