研究課題/領域番号 |
06402006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永野 元彦 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (00013384)
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研究分担者 |
石川 文男 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (30092133)
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
手嶋 政廣 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40197778)
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キーワード | 宇宙線 / 超高エネルギー / 蛍光効率 / 空気シャワー |
研究概要 |
極高エネルギー宇宙線のエネルギーを較正するため、以下2項目を実施した。 1.高エネルギー電子が空気中の窒素分子を励起して発する蛍光効率の測定。 放射性同位体^<90>Srからの電子線、及び原子核研究所の電子シンクロトロンからの電子ビーム使い、空気中での蛍光発光効率の電子のエネルギー損失依存性及び大気圧依存性を求めた。これにより、空気シャワー中の電子の蛍光効率の大気高度依存性を導出した。空気シャワー中の平均エネルギー80MeVの電子が発する300nm〜400nmの波長の光子数は、1電子、1mあたり約4.8ケ程度であり、高度による変化は15km以下では10%以内、夏、冬での変化は4%以内であることがわかった。詳細な結果をまとめ、Nucleur Instrument and Methodsに投稿、受理され現在印刷中である。 2.空気シャワー中の電子の発するシンチレーション光の観測による、空気シャワーの最大発達付近での粒子数遷移カーブから求める一次宇宙線のエネルギーと、現存する「広域空気シャワー観測装置」で求めるエネルギーの比較実験。 本年度望遠鏡1台製作した。望遠鏡の焦点に設置するマルチアノード光電子増倍管18本からなる高分解能カメラを1台準備した。各マルチアノード光電子増倍管は4つのアノードからなり、アノード一区画の視野は0.65°×0.65°である。すなわち望遠鏡からの平均距離6.3kmに落ちたシャワーについて、約65m×65mの分解能でその遷移カーブの最大発達付近を観測出来ることになる。この高分解能カメラを鏡の焦点(f=1)に設置し、現在実験中である。
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