研究課題/領域番号 |
06402007
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鷲見 義雄 広島大学, 理学部, 教授 (20029490)
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研究分担者 |
日置 慎治 広島大学, 理学部, 助手 (70238252)
岩田 洋世 広島大学, 理学部, 助手 (20168579)
阪口 篤志 広島大学, 理学部, 助手 (70205730)
杉立 徹 広島大学, 理学部, 助教授 (80144806)
宮村 修 広島大学, 理学部, 教授 (80029511)
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キーワード | 高エネルギー・重イオン衝突 / 粒子多重発生 / クォーク・グルオン・プラズマ / 二粒子干渉効果 / CERN-SPS加速器 / NA44国際共同実験 / 運動量収束型スペクトロメータ |
研究概要 |
1.鉛ビーム実験の遂行 1994年末に世界最初の核子あたり160GeV鉛+鉛実験に成功したが、これはテスト実験的色彩の濃いものであった。この実験の解析結果を用いて装置の一部手直しを行うとともに、より本格的なデータ収集を行うべく、1995年11〜12月に再度鉛+鉛実験を行った。 2.データ解析 (1)上記1により得られた生データを本学に持ち帰り、既に得られている核子あたり200GeV硫黄ビームの実験データともどもそれらのデータ解析を行った。 (2)この際、本実験計画の特長を十分に活かし2粒子相関関数の多次元解析を行った。 3.解析結果から明らかになった事実 (1)各種ハドロンのみかけの発生源温度は、ハドロンの種別により異なるが、この差は発生源が流体力学的な膨張を行っているとすると説明でき、粒子析出時における真の発生源温度はハドロンの種別によらない。 (2)重陽子生成:低エネルギー領域で成立つコアレッセンス模型が、このエネルギー領域でも、成立する。 (3)硫黄+硫黄衝突に比べ鉛+鉛衝突ではより完全ストッピングに近い衝突が起こっている。 (4)2粒子相関関数より得られる粒子源の拡り(いわゆるHBT半径)は、m_Tの平方根に反比例する。 (5)硫黄+鉛衝突の解析では、HBT半径より世界ではじめて粒子析出時間の分布巾を求めることができた。 (6)粒子発生源からの粒子析出は、粒子密度がある一定値に達するという条件で生ずる。
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