研究課題/領域番号 |
06402008
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
山本 明 高エネルギー物理学研究所, 低温センター, 教授 (30113418)
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研究分担者 |
槙田 康博 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (30199658)
野崎 光昭 神戸大学, 理学部, 教授 (10156193)
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キーワード | 宇宙 / 宇宙線 / 宇宙起源 / 反物質 / 反粒子 / 粒子線 / 対称性の破れ |
研究概要 |
本年度は研究計画の第3年度(最終年度)として昨年までの観測成果(低エネルギー反陽子の40イベントを越える観測)を踏まえ、観測統計精度を高め、これまでの観測を再確認する事に主眼を置いた。実験の準備として、昨年度のスペクトロメーターのデーター収集システムに改善を加え、収集効率を2倍以上高める事に成功した。 カナダにおける気球飛翔実験は、日米政府間の外交的な取り決めの完了をまって、気象条件の整った8月8日に実施され、気球の打ち上げには成功したが、上昇中に気球本体に技術的な問題が発生し、残念ながら科学観測の高度には、達成する事ができなかった。 一方、これまでの科学観測結果の解析が精力的に進められ、特に宇宙起源反粒子候補の筆頭となる、反ヘリウムの探索において、反粒子/粒子の存在可能上限比を2×10^<-6>にまで感度を高めた解析結果を得た。これは、従来の報告に比べ一桁以上感度を更新した結果であり、Journal Letter of Astrophysicsに掲載される予定である。 本計画のまとめとして、質量測定を伴う初めての宇宙粒子線反陽子の観測および、反ヘリウム探索の10^<-6>レベルまでの観測感度更新を学術的な成果をして報告するとともに、次期計画が認められ、さらに宇宙起源の解明に貢献出来る事を願う。
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