研究概要 |
(1)LaRu_2Si_2中希釈U原子の基底状態に関する研究。 Uは4価であり、基底状態は基本的にsingletあるが、singlet間の分離が小さく、<J_z>≠0、<J_x>=0のdoubletとして表せる。しかし、低温で局在スピンのscreeningがあり、このような系での近藤効果の可能性のmechanismを明らかにする必要が新たな問題として生じている(論文投稿中)。 (2)UAl_2のゆらぎに関する研究。 従来バンド的なf電子による磁性として理解されてきたが、近藤格子系であることが明らかになった(論文として発表)。0.4Kの超伝導を示す試料もあるが、これは析出ウランによる超伝導と思われる。スピンのゆらぎに関する研究は、現在継続中である。 (3)Ce(Ru_<1-x>Rh_x)_2Si_2,Ce_<1-x>La_<xz>Ru_2Si_2momnt in stabilityに関する研究。 共にSDWが存在するが、Ce(Ru_x)_2Si_2では外場によるSDWの崩壊が、f電子のitinerantから局在へ相転移のように観測される。従来cross overであるとされている系であり、moment instabilityの観点から研究中である(一部論文として発表)。 (4)U(Ru_<1-x>Rh_x)_2Si_2の多段階相転移の研究。 磁気構造がq(1/2 1/2k)(k=0,1/2,1/3,1/4・・・)で表されるC軸方向に種々の変調を受けた、Ising型磁性体であることが明らかになった(論文として発表)。 この系の多段階相転移について継続して研究中である。
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