研究課題/領域番号 |
06402013
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 武郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004424)
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研究分担者 |
高木 丈夫 福井大学, 工学部, 講師 (00206723)
滝川 昇 東北大学, 理学部, 助教授 (00125600)
山口 晃 東北大学, 理学部, 教授 (60004470)
野未 泰夫 東北大学, 理学部, 助手 (60125630)
高木 伸 東北大学, 理学部, 助教授 (90124594)
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キーワード | 量子核形成 / 核形成 / 1次相転移 / ^3He-^4He混合液 / 巨視的量子現象 / 量子トンネル現象 |
研究概要 |
^3He-^4He混合液は、^3He原子及び^4He原子が有する量子的性質の故に、一様核形成(homogeneous nucleation)を期待し得る殆んど唯一の系である。この理想的系を用いて、量子核形成を疑いの余地なく実証すると共に、量子領域-古典領域の移行をも明確にすることが本研究の目的である。 1.この目的を達成するためには、温度範囲400μK〜0.9K及び圧力範囲0〜25気圧の領域において^3Heの臨界過飽和度を決定することが第一に要求される。この要求を満すべく、(1)25気圧までの高圧に充分耐える試料容器の製作・設置、(2)^3Heの仕込み量を容易に変更できるよう、On-offの信頼性が高いCold-valveの作製・設置、(3)長期(1年以上)に亘る連続実験において、液体ヘリウム補給時の擾乱を避けるため、^4HeラインにもCold-valveを設置、(4)本年度購入した種々の備品類を軸として、測定を可能な限り自動化する、の4項目を達成し、現在データを集積中である。 2.本研究推進のためには理論研究も不可欠である。量子核形成の古典とされているLifshitz-Kaganの論文に根本的誤りがあることを見出し、これを出発点として新しい理論構築を展開中である。 3.量子核形成においては^3He原子の拡散などのエネルギー散逸の効果が本質的に重要となる。散逸の効果は核成長過程においても重要となる。この観点より、相分離界面の動力学を考察した。この結果に基づいて、相分離界面での音波の透過・反射に関する実験を準備中である。
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