研究課題/領域番号 |
06402016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30152078)
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研究分担者 |
吉田 茂生 東京大学, 地震研究所, 助手 (50262085)
坪井 誠司 東京大学, 地震研究所, 助手 (90183871)
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キーワード | ジオイド / 断層運動 / 海面高度計 / 人工衛星 / Slow Earthquake / Silent Earhquake |
研究概要 |
1.前年度に開発した解析ソフトウェアを用いて、Topex/Poseidon衛星海面高度データから、1994年6月にボリビアの地下630kmで発生した巨大深発地震にともなうジオイド高変化を計測した。ボリビア地震は陸で起きた地震であるが海岸から数度しか離れておらず、またMw=8.3というサイズにより海のジオイドに検出可能な変化をもたらす可能性が期待できるからである。地震前後の100日間の記録を元にして海面高を決定し、それぞれの差をとって30S-10S、85S-70Wの地域について地震によるジオイド高変化が、検出できるかどうかを調べた。 2.もとまった海面高の変化は有意に地震後の方が数cmのオーダーで有意に低くなっており、震央から離れるにしたがって変化が小さくなっている。また、方位方向の変化は見られない。この付近の海流の年周変動の振幅は1-2cmと小さいことが知られているが、念のために地震後の200日について同様な解析を行なったがこのような変化は見られなかった。従ってこのような海面高変化をもたらした原因はボリビア地震にあると考えることが出来る。 3.一方、地震学的にもとまった断層パラメタを使ってSun and Okubo(1993)により、期待されるジオイド高の変化を求めた。断層解によるジオイド高の変化は方位角270度付近に節を持ち符号が変わるパターンを持っいて観測結果とは相容れないことがわかった。観測結果のような方位依存性を持たない負のジオイド変化は震源近傍での等方的な収縮が10日より短い時間スケールであったことを示唆する結果を得た。
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