研究課題/領域番号 |
06402022
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 信雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00006222)
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研究分担者 |
遠田 義晴 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20232986)
末光 眞希 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (00134057)
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20134075)
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キーワード | 光励起プロセス / 半導体結晶成長 / 光電子分光 / 水素脱離反応 / その場観察 / 気相成長 / 光電子強度振動 / Si(100) |
研究概要 |
半導体製造プロセスの低温化、反応制御性の向上、欠陥発生の抑制等のために、プロセスを律速する固体表面化学反応を光で励起し促進する光励起プロセスが提案されている。本研究では光励起プロセスの可能性や実現性を明らかにするため、特にSi(100)上のシラン、ジシランによる気相成長において研究を行った。 光励起プロセスの効果を調べるため光励起による結晶成長速度の変化を調べることは基本的に重要である。しかしこれを精度よく求める測定手段はほとんどない。我々は最近、ジシラン気相成長中に紫外線照射によって固体表面から放出される光電子をその場測定し、この光電子強度が振動する事を見いだした。そしてこの振動現象を利用して結晶成長速度をその場で単原子層精度で測定できることを明らかにした。本研究ではまずこの現象を応用する上で基礎となる振動の発現メカニズムを詳細に研究した。その結果、振動の起源は2つの表面再配列の交互の入れ代わりによるものであり、振動を引き起こすそれら表面の光電子強度差は表面凖位の角度分散異方性に由来することを明らかにした。 さらに低温での結晶成長で主たる律速要因であり、光励起プロセスの効率化を図る上で基礎的知見となる表面水素の脱離反応プロセスについて研究を行った。その結果、ジシランを用いたSi気相成長では表面水素の脱離反応次数は1であるのに対しシランを用いた成長では1よりも大きいことがわかった。これは水素吸着状態の違いに起因する水素会合反応などの高次過程がシランを用いた成長では水素脱離過程を律速しているためであると考えられる。
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