本研究年度では、透過型電子顕微鏡JEM-1010Sを購入整備した。また、計画にしたがって、密度変調・歪整合型の格子を電子顕微鏡内で製作するために必要なinstrumentation、1)電子顕微鏡内の超高真空化、2)ピエゾ素子でドライブ出来るマイクロ蒸着源について設計・製作準備を整えた。 マイクロ蒸発源は、試料表面から1nm程度の距離に蒸発源を接近させる機能、蒸発源と試料間に最高500Vまでの正負電圧を印加出来る機能、蒸発源を最高1500Kまで加熱出来る機能、さらに試料表面に沿って最大10ミクロン移動出来る機能を備える。この蒸発源によって試料上に1〜10nmの幅で超格子をつくり、異種元素を添加することにより超格子の密度と格子定数を変化させ、密度変調・格子整合型超格子をメソスコピックなサイズで作ることが可能となる。この密度ならびに格子変化を電子顕微鏡によって調べる予定である。 研究に必要な備品の導入が次年度にわたっているため、本年度は予備的な研究にとどまっている。
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