研究概要 |
電子顕微鏡の中で,STM駆動つきの蒸発源と基板を対抗して配置した特殊ホルダーを用いて,試料と蒸発源の間に電界をかけて,蒸発源から微粒子を基板表面に付着させる方法を検討した. その結果,試料と蒸発源の間に電界をかけて蒸発源を試料に接近させた場合には,蒸発源からドロップレットが飛び出して試料表面に付着することを見出した.しかし,ドロップレットを制御して試料表面に付着させる電場など,詳細は明らかに出来ていない. ドロップレットの大きさや付着に必要な電場の制御が今後の課題として残った.一方,試料表面については,ステップの少ない平坦で清浄な表面を作ることを目的として,反射電子顕微鏡法でシリコン結晶の基板結晶の評価を行ったが,上記の特殊ホルダーでは,試料の加熱温度が十分得られなかったため,現在までのところ成功には至っていない. 以上,STMの探針を利用した原子間電界蒸発法によって,清浄なシリコン基板表面にドロップレットの配列をつくり,この方法を発展させて歪み超格子を形成する方法が、原理的には可能であることを示せた.
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