研究課題/領域番号 |
06402024
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高柳 邦夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80016162)
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研究分担者 |
大島 義文 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80272699)
平山 博之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60271582)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 密度変調超格子 / 走査型トンネル顕微鏡 / マイクロ蒸発源 |
研究概要 |
半導体デバイスは超精密化し、位相制御素子や単電子トンネル素子など、メソスコピックな物理現象が現れている。電子の位相や数が問題となるこれらのデバイスでは、界面の欠陥がつくる電子準位による電子の散乱や電子位相をみだす格子振動などの物理現象が問題となると言われている。本研究では、欠陥のない原子レベルで平坦な基板表面のテラス上に、単一でも良いから、欠陥のないメソスコピック構造をつくり、Si-Ge-C系の歪み格子など複雑なメソスコピック系への応用をめざすため、走査型のマイクロ蒸発源を開発し、これを透過電子顕微鏡に組み込み、基板上に薄膜あるいは線画を描くことを目的とした。 透過型電子顕微鏡の中でSTM駆動つきの蒸発源と基板を対向して配置した特殊ホルダーを開発し、試料と蒸発源の間に電界をかけて、蒸発源から微粒子を基板表面に付着させる方法を検討した。蒸発源としてタングステン線を用いたときに、電界をかけることによって、試料側へのタングステンの付着がみられた。この電界蒸発では、安定に蒸着膜を作ることが難しいことが分かった。シリコンの清浄な表面を作製し、平坦なテラスを反射電子顕微鏡で探し、その場所へ蒸発源をピエゾ駆動で移動させる方式を検討した。シリコン清浄表面を作製し、反射電子顕微鏡像でその表面を見ながら、蒸着源をテラスに移動して、その表面に数nmの距離まで接近させ、微小領域へ蒸着する可能性を探った。 STM駆動を利用したマイクロ蒸発源により、清浄でしかも原子レベルで平坦なテラス表面を選択して蒸着が出来ることが示された。この研究成果に基づいて、今後Si-Ge-C系ナノデバイスの構築ならびに量子的現象の研究が飛躍的に進展する基礎が築かれた。
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