研究課題/領域番号 |
06402025
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾浦 憲治郎 大阪大学, 工学部, 教授 (60029288)
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研究分担者 |
綿森 道夫 大阪大学, 工学部, 助手 (80222412)
上田 一之 豊田工業大学, 工学部, 教授 (60029212)
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キーワード | 表面水素 / イオンビーム / STM / エピタキシ- / 金属 / シリコン界面 |
研究概要 |
我々は、既に水素で終端されたシリコン表面上では、金属薄膜のエピタキシ-が大きく影響される現象を見出したが、本研究ではそのメカニズムの解明を目的として、原子スケールのミクロな尺度での観察を進める計画である。そのため、本年度は以下の研究計画を実施した。 (1)エピタキシ-に与える基板温度の影響を調べるため、まず水素吸着に及ぼす基板温度の影響をイオンビーム法(ERDA)で観測した。その結果、低温(77K)では飽和水素吸着量が室温に比べて大幅に増加することを見出した。この結果はシリコンハイドライド形成が促進されることを示唆する。 (2)上記のイオンビーム実験と並行して、これと両立可能なSTM装置の整備を行った。これまで既に実施してきたSTM実験の結果と合わせて、水素終端表面における金属薄膜の形成初期過程および水素誘起クラスター形成過程に関して、多くの興味ある結果を得た。すなわち、Si(111)表面上のAg単原子層吸着構造であるSi(111)-√<3>x√<3>-Ag表面に原子状水素を吸着させると、3〜15ナノメートルの大きさの6角形のクラスターが形成されること、および、それらのクラスターの平均高さは3.1原子層であることなどである。 (3)原子状水素の他に、極めて微量の酸素も上記の現象に関与する可能性は完全には否定できない。そこで、あらゆる手法の中で酸素に対して最も感度の良いとされるESDS法を用いて、微量酸素の検出についても研究を進めほぼ予定通りの進展があった。
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