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1995 年度 実績報告書

CFRPの異物衝突損傷に及ぼす周囲温度環境の影響に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06402029
研究機関東京工業大学

研究代表者

松本 浩之  東京工業大学, 工学部, 教授 (50016416)

研究分担者 荒井 政大  東京工業大学, 工学部, 助手 (30260532)
足立 忠晴  東京工業大学, 工学部, 助教授 (20184187)
キーワード炭素繊維強化複合材料 / 衝撃損傷 / 温度環境 / 残留強度 / 層間剥離 / 異物衝突 / 熱粘弾性特性 / 残留応力
研究概要

本研究は-100℃から200℃程度の温度環境下において飛翔体が衝突したときのCFRP積層板内の損傷の発生および進展のメカニズムを究明し,異物衝突に耐えるCFRP積層板の構造の開発のための基礎的知見を得ることを目的としている.
エポキシ樹脂,高靱性エポキシ樹脂およびPEEK樹脂を用いた代表的な炭素繊維強化材料について様々な温度環境における衝撃損傷の発生状況をまとめた.零度以上の温度環境では衝撃エネルギーと層間剥離面積には線形関係があり,温度が上昇するにつれて剥離面積が減少することがいずれの材料についても見られた.材料の熱粘弾性特性の測定から弾性特性が低下する高温領域では剥離面積が大きく減少することがわかった.これらの現象は走査電子顕微鏡の観察からハックルと呼ばれる層間剥離に特有の破面との関連性があることが明らかになった.また零度以下の温度環境では必ずしもすべての材料で衝撃エネルギーと層間剥離面積との関係は線形とはいえず,実験ごとにかなり異なる面積の層間剥離が発生した.これは低温環境において材料が脆化していることが予想されるが,これについては来年度の検討項目としてさらに考察することとした.
また衝撃条件の異なる場合の層間剥離面積の相対比較のためのパラメータを考察した.その結果,積層されたCFRPの面内剛性の差を表すパラメータを導入することで室温程度の環境下では低質量の飛翔体が高速で衝突する場合と大きい質量の落錘が衝突する場合とで相対比較することが可能となることがわかった.ただし試験片の形状および異なる温度環境下などについて適用可能かどうかについて検討を加える必要のあることがわかった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 盛田英夫,松本韋,足立忠晴,西森 顕,松本浩之: "低温/高速衝撃試験によるCF/PEEKの耐衝撃損傷特性の評価" 材料. 44. 423-427 (1995)

  • [文献書誌] H. Morita, A. Hamamoto, T. Adachi, K. Nishimori, H. Matsumoto: "Influence of Impact Velocity and Lay-up Parameter on Impact Damage Resistance of CF/PEEK Laminates" 36th AIAA/ASME/ASCE/AHS/ASC Structures, Structures Dynamics and Materials Conference. 1093-1100 (1995)

  • [文献書誌] H. Morita, T. Adachi, Y. Tateishi, H. Matsumoto: "Characterization of Impact Damage Resistance of CF/PEEK and CF/Toughened Epoxy Laminates under Low Velocity Impact Tests" Proc. American Society for COmposites 10th. 376-385 (1995)

  • [文献書誌] 清水理能,足立忠晴,荒井政大,松本浩之: "CFRP積層板に及ぼす周囲温度の影響(高温環境の場合)" 日本機械学会材料力学講演会講演論文集. 95-2. 67-68 (1995)

  • [文献書誌] 盛田英夫,松本浩之: "落すい試験によるCFRP積層板の耐衝撃損傷特性評価" 日本機械学会論文集(A). 61-581. 127-132 (1995)

  • [文献書誌] 清水理能,足立忠晴,荒井政大,松本浩之: "高温・低温環境下におけるCFRP積層板の衝撃損傷" 日本機械学会第73期通常総会講演会. (発表予定). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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