研究分担者 |
アントツュー クルシュド 東北大学, 工学部, 助手
徐 鈞国 東北大学, 工学部, 助手 (50250684)
足立 幸志 東北大学, 工学部, 助手 (10222621)
梅原 徳次 東北大学, 工学部, 助教授 (70203586)
KHURSHUDOV Andrew Tohoku University, Faculty of Engineering, Research Associate.
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研究概要 |
次世代のコンピュータにおいて期待されるコンタクトレコーディング方式による磁気記憶装置の開発のために,イオンビームミキシング装置を用いて新しい保護膜の成膜を行い,その機械的特性および摩擦摩耗特性を明らかにした.実施された研究内容は以下のとうりである. 1)炭素のイオンビームスパッタリングと窒素ガスイオンのイオン注入を同時に行う.いわゆるイオンビームミキシング法により窒化酸素膜をシリコン基板上に成膜した. 2) ESCAで表面の成分分析を行ったところ,窒素が20%注入されていることから明らかになった.また,結合エネルギーの測定値からCN結合の存在の可能性が示された. 3)微小硬度計により押し込み硬度を測定した結果,イオンビームスパッタリングした炭素と比較して窒素イオン注入することで,押し込み硬度が増加することが示された. 4)種々の成膜条件による窒化炭素膜の摩擦摩耗実験が行われ,窒化炭素膜の押し込み硬さが大きいほど比摩耗量が小さいことが示された.また,押し込み硬度が大きくなるような成膜条件が示された. 5)2種類の荷重下で窒化炭素膜と炭素膜の摩擦摩耗実験が行われ,高荷重では炭素膜の方が比摩耗量は小さいが,低荷重では窒化炭素膜の方が比摩耗量が小さいことが示された.この結果より,接触花樹の低い荷重の低いコンタクトレコーディング方式では,イオンビームミキシング法による窒化炭素膜が保護膜として期待できることが明らかになった.
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