研究概要 |
本年度は本研究の初年度にあたり,熱電材料を用いた多孔構造素子を関係者の協力を得て試作し,その性能評価のための測定を行った.まず熱電材料としては金属系としてアルメル-クロメル,半導体として鉄-シリコンを選定した.多孔構造の形態としては (1)格子状セラミックス体に熱電対を配列したもの (100×100mm^2に素線径1mm×1600対,ピッチ1.25mm)2種類(厚さ約13,25mm) (2)フォイル状の材料を用い,電気絶縁シートを組み込んだ素子(50×50mm^2,200対) (3)アルメル-クロメルを用いた焼結体 鉄-シリコンを用いた焼結体 の4種類である.(1)と(2)に関しては燃焼実験により電気出力の測定まで行い,温度差との関係においても信頼できるデータであることが確認できた.(3),(4)に関しては温度差〜超電力の基礎データの取得に留まっていて,燃焼実験は次年度に予定している.ただ(3)に関しては米国Hi-Z社の協力により温度差〜300℃までの電気出力の値が得られ,中実材料と比較して約1/3程度で,非常に期待できる. 理論解析は多孔構造体内の定常燃焼系に熱電現象を考慮した数値計算を行った火炎の形成される場所とか材料の有効熱伝導率によって多孔構造熱電素子の両端部の温度差が大きく変化すること,両端部でのペルチェ熱の影響等を明らかにし,成果の一部は既に公表した.
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