研究課題/領域番号 |
06402038
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 直 東北大学, 工学部, 助教授 (00187402)
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研究分担者 |
小谷 光司 東北大学, 工学部, 助手 (20250699)
大見 忠弘 東北大学, 工学部, 教授 (20016463)
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キーワード | 4端子デバイス / ニューロンMOSトランジスタ / 画像処理 / 動きベクトル検出 / 重心検出 / MPEG / ウィナー・テ-ク・オール |
研究概要 |
現在のデジタル情報処理は、厳密な四則演算を逐次処理で実行する方式であり、いかにマイクロプロセサ(MPU)が高速化しても、画像のように非常に多くの情報を含む対象に対しては、演算時間は恐ろしく長い。特に、ロボットアイ実現を目指すと、「物を見て瞬時に判断する」機能が要求されるが、これは全く不可能。新たな技術ブレークスルーが切望されている分野である。本研究は、高機能4端子デバイスと記憶型イメージセンサの融合により、2次元画像データより瞬時に必要な情報量を抽出することを狙うものである。 本年度は、4端子デバイス(ニューロンMOS)を用いて、イメージセンサより特徴量を瞬時に抽出するハードウェアの基本設計を行った。その第1は、「動きベクトル検出回路」である。イメージセンサのとらえた画像情報をx方向、y方向に投影したデータを元に、2つのフレーム間の相関をとり、わずか2ステップ(基本クロック2サイクル)で移動ベクトルの検出を行うものである。この目的のために、絶縁値検出回路、最短距離検出回路を新たに開発し、シミュレーションにより動作確認を行った。この演算は、例えばMPEG処理では、専用プロセサを複数チップ用いても数10msecもの時間を要するという大変な演算であるが、本回路ではたった200nsce、即ち10万分の1の時間で終了してしまう。ニューロンMOSを用いた新しい回路形式の非常に優れた点である。現在、最終的なパタン設計を行っており、平成7年4月よりLSIの製作を行う予定である。さらに、画像の重心を、やはり瞬時に検出する回路も新たに考案・設計した。1000画素×1000画素の画像から、重心を数100nsecでみつけ出すことができる。 インテリジェントな回路の構成においては、最大値のありかをみつけるWTA(ウィナー・テ-ク・オール)回路が非常に重要な働きをするのが、これに対し、全く新しい原理で働く回路を着想した。時間的に変化する多チャンネルのアナログデータ入力の中から、最大値入力(勝者)の位置を時間的に連続して追跡しつづける回路である。勝者の入れ換わりには、数100psecという超高速で追従できる。シミュレーション並びに実際の回路で動作の確認を行った。現在チップ試作に向けたテスト回路の設計を行っているところである。
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