1.有機樹脂内装銀中空ガラス導波路の製作 内面が極めて滑らかな細径石英ガラスチューブ(内径700μm及び540μm)内に銀鏡反応を利用し、ガラス内面と同程度の粗さをもつ銀パイプを製作することに成功し、その長さも2mを越えるものが安定に製作する技術を確立した。この銀中空ガラスパイプ内に、送液法ならびにデイッピング法を用い、ポリイミド及び弗素樹脂をコーティングし、有機樹脂内装銀中空ガラス導波路の製作を行なった。コーティングに於いては、樹脂の送液あるいはデイッピング速度の一様性、ならびに、キュアに於いてはその温度の一様性が極めて重要であることが判明した。送液法に於いては、長さ2m程度のポリイミド内装銀中空導波路をエルビウム・ヤグレーザ光伝送用に設計し、実用に充分応えることができるような特性を有する導波路を得ることができた。即ち、入出力の結合損失を含め、長さ2m程度の伝送路で、損失1dB、入射光エネルギーも1Jを越えることが分かった。一方、デイッピング法に於いては、弗素樹脂の低屈折率性により、損失もポリイミド内装銀中空導波路よりもかなり小さくなることを証明した。 2.多波長光伝送用有機樹脂内装導波路の設計・製作 有機樹脂の膜厚を制御することにより、幾つかの波長の光を単独あるいは同時に伝送できることを示す為に、エルビウム・ヤグレーザ光用ならびに一酸化炭素レーザ光用の伝送路を設計し、所望の特性が得られることをポリイミド内装銀中空導波路を製作することによって示した。有機樹脂は一般に幾つかの波長で吸収が存在する為に、設計波長で吸収の少ないコーティング材料を探索することが重要である。
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