研究課題/領域番号 |
06402051
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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研究分担者 |
秋山 英二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70231834)
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005964)
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キーワード | アモルファス合金 / 銅タンタル合金 / 鉄クロムりん合金 / 大気酸化 / 微粉末 / 電極触媒 / ニッケルジルコニウム白金族合金 / 表面分析 |
研究概要 |
平成7年度の実験においては、Cu-Ta系合金の酸化挙動をCu-ZrおよびNi-Zr合金系の場合と比較検討した。Cu-Ta系合金はCu-Zr合金系と類似の挙動を示すが、組成によって酸化速度は大きく異なった。AES分析の結果では、酸化の進行した表面にはOとCuが多く、Taは少なく、酸化皮膜厚さはCu-22at%Taで最大値を示した。一方、酸化初期には、皮膜厚さは合金Ta量の増加とともに単純に増加し、Taが表面皮膜中に濃縮しており、また下地合金表面ではCuが多かった。このことは初期にはTaの優先酸化によりTaに富む皮膜が生成するが、合金のTa量が不十分な場合には保護性の高い皮膜が生成せず、むしろ酸化を促進すると考えられる。酸化されやすい低Ta合金では、酸化が進むにしたがってCuが最表面に拡散してきて、大気に触れ、Cuに富む酸化物/水酸化物を形成すると推測した。次に、Fe-Cr-P合金の9Mの硫酸溶液中における腐食によって生じる黒色の微粉末について検討した。この合金表面のXPSスペクトルは酸化状態のピークとほぼ同じ強度の金属状態のピークを示し、表面皮膜厚さは約2nm程度と計算されたが、この試料の断面の透過電子顕微鏡観察結果は数100nmにわたる腐食生成物層の存在を示し、合金中には微細なbcc結晶相が存在することが確認された。これらの結果を総合的に判断することにより、この合金はX線回折では判別できない微細なbcc結晶を含んでおり、この部分が選択的に腐食を受け、耐食性の高いアモルファス部分が微粉末状に残ったと考えた。さらに、Ni-Nb-白金族系アモルファスのプロパン酸化および亜硫酸塩の酸化に対する電極触媒特性の検討も行った。
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