研究課題/領域番号 |
06402055
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大楠 丹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70038537)
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研究分担者 |
新開 明二 九州大学, 工学部, 助教授 (10112301)
柏木 正 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00161026)
草場 忠夫 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00037871)
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キーワード | 浮体 / 人工島 / 波力 / 海象長期予測 |
研究概要 |
1.浮体式人工島に作用する波力を、地形の影響を考慮して合理的に評価する理論を確立した。 従来、構造物に作用する波力は、一定水深の条件の下で計算されていた。しかしながら浮体式人工島にあってはそのスケールが地形の変化に匹敵するほど巨大であるこから地形や水深を一定とする仮定には無理がある。本研究では、水深が変化することによる波の屈折の影響、海岸近くにおける砕波の影響を合理的にモデリングした波力の計算法を開発した。具体的にはいわゆるMILD SLOPEEQで、屈折を考慮して波動場を記述し、人工島からの反射波の影響、海岸近くでの波の岨度の増加、波の変形、砕波による海岸からの反射波係数の減少を考慮している。 波力は1次及び2次のオーダーの計算が可能である。なお、任意の方向からの波の入射に対する計算、人工島の弾性変形を考慮した波力の計算への拡張を現在行っている。 2.浮体人工島の波浪中の挙動をコンピュータ・グラフィックスによって表現し、その安全性を検討する技術のいくつかを試みた。 3.浮体式人工島の設置が想定されるような典型的な海域における海象の長期予測法の研究を実施した。 応用力学研究所津屋崎災害実験所の近くの海域において、沖合い約1.5kmの地点の波高、風速の計測を実施し、その結果から10年確率波高、風速を導いた。例えば、10年確率波高は5.5m、同風速は56m/sであった。今後さらに検討して100年を再現期間とする信頼度の高い海象の長期予測法を確立し、1.で述べた流力モデルと結合して浮体式人工島の安全性の評価法を完成する。
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