研究課題/領域番号 |
06402056
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
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研究分担者 |
盛田 耕二 通産省工業技術院資源環境技術総合研究所, 主任研究官
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
藤光 康宏 九州大学, 工学部, 助教授 (10264095)
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キーワード | 火山エネルギー / 火山活動 / 火山活動制御 / 熱抽出 |
研究概要 |
研究対象としている九重火山が1995年10月に噴火し、引き続き活動を続けている。人工的なエネルギー抽出を検討する上で、自然状態における火山活動の推移の把握およびエネルギーの蓄積・放出過程の把握は必要不可欠であり、これらに関する調査研究を続けた。主な研究成果は以下のようなものである。 1.赤外映像による噴火によって新たに形成された火口の温度は最初の噴火以降上昇し、95年12月の2度目の噴火以降急激に低下、以下、消長はあるがゆっくりとした低下傾向にある。 2.噴火前から存在していた噴気孔の温度は、最初の噴火以後、一部を除いて、冷却傾向にある。 3.火口から放出される熱エネルギーは最初の噴火以降、2度目の噴火まで、2000MW以上の極めて大きな値であったが、2度目の噴火以降、急激に減少した。 4.火口周辺の重力変動観測結果は噴火直後、一時増加、その後急激に減少し、さらにゆっくり減少する傾向にある。 5.地磁気の観測結果は噴火後一貫して、帯磁の強まるセンスすなわち、火山体内部の冷却化を示している。 以上の結果から、九重火山の地下には噴火後新たな熱の供給はなく、噴火前に蓄積された熱エネルギーが放出される過程であることが明らかにされた。すなわち、地上における種々の観測結果を総合することにより、火山体地下における熱の蓄積・放出過程がモニターできることが明らかにされた。 一方、火山活動のモデルとして、実際の間欠泉を取り上げ、熱的な観測を行った。その結果、複数の周期性を持つ、特徴的な間欠泉活動を明らかにするとともに、ランプトパラメータモデルにより噴火機構のモデル化を行った。今後、更に噴出機構の詳細な検討を行うとともに、間欠泉において熱抽出実験を行い、周期的活動を人工的に制御できるかどうかを実験する計画である。
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