研究課題/領域番号 |
06402057
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 京 北海道大学, 農学部, 講師 (30203235)
|
研究分担者 |
矢沢 正士 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001473)
長澤 徹明 北海道大学, 農学部, 教授 (30002067)
梅田 安治 北海道大学, 農村空間研究所, 所長 (90001411)
|
キーワード | 低湿地 / 農地 / 農村 / 土地利用 / 泥炭地 |
研究概要 |
石狩川中下流部に分布する泥炭地のうち、特に篠津地域を対象とし、明治開拓以来の土地利用形態の変化を基軸として調査を行った。すなわち、低地周辺部・丘陵部に始まる開拓が、排水の進行とともに次第に低湿地部へと展開し、低位泥炭地、ついて高位泥炭地へと進展する。さらに排水条件の一層の発現を待って水田化が進められている。そしてそれらは、客土・用水施設の整備が前提であったが、農業施策の変遷の影響を受けて、汎用農地化していった。 釧路泥炭地での土地利用変遷の解析からも、排水の進展が地域の基盤形成に果たしてきた役割の大きいことが明らかとなった。 戦後撮影された各年代の空中写真を元に、低湿地における圃場区画の変遷を追跡した。北海道の場合、圃場形態はまず植民地区画の大きさに規定されているが、戦後の圃場整備事業がブレークスルーとなって、現在見られる農業基盤がいっきに形成された。入植時期や土壌条件等が初期の水田区画の大きさを規定していたが、圃場整備事業の進展により、従前の圃場条件の差異は解消され、極めて等質な圃場区画が確立され、近年の大型機械化営農体系を可能にしている。さらに現在では、単に生産環境の場としての土地基盤のみならず、生活環境や自然環境としての地域のあり方、土地利用のあり方が問われつつあることを議論した。
|