研究概要 |
低湿地は,本来的に生物生産に適した,他に比して極めて恵まれた土地である.その農地利用は先進国はもちろんのこと,発展途上国でもその高度化が求められつつある.そのなかで,低湿地の農地利用を単なる生産目的の圃場構造としてではなく,人々の生活する場面として,さらには社会の共有財産として評価していく必要が生じている.そのためには農地・農村,生産・生活を一つのシステムとして社会全体の中で位置づける評価が必要である. 本研究では,低湿地(泥炭地)での農地・農村形成の要因を総括的に解析することにより,そこにおける土地利用学的問題点の抽出,展開方向を見いだし,今後の農村計画的発展への指針を提示することを目的とし. 具体的には,北海道の各地の泥炭地で農地利用の展開しているところを例として,そこでの農業開発経過,自然条件などについて調査検討することによって,各種条件とそれに対応する農村計画的事項について評価をすすめてきた.すなわち,道内各地に選定した調査地区において,開発過程,進行状況,居住・集落形態,土地利用の変遷,水利・水質状況,地盤状況,圃場規模等の変遷,地域環境の変化状況等について調査をおこなった.
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